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「ユニコーン企業CEOの21%はデザインを学んでる」@ Japanese Technology Meets Spanish Design


もうとっくに1つのカテゴリで物事が完結する時代じゃないんだと思う。

それを改めて痛感させられたのは、先日スペイン大使館で行われた Japanese Technology Meets Spanish Embassy でのひれ伏したいほどのカンファレンスに参加してきたから。

直近1年だけでも、資生堂がNYクリエイティブエージェンシーのMATCH Co.を買収したり、アクセンチュア・インタラクティブが英国のKarmarama やドイツのSinner Schraderを買収したりと、デザイン(しかも戦略的な)の重要性がすっかり常識のようになったいまの社会。その最先端をいくスペイントップの戦略的デザインファームの erretres. のプレゼンテーションを少しばかり共有できましたら、と思います。(だって、こんなに素晴らしかったのにメディアらしい人たちが人っ子一人見当たらないんだもの!もったいない)

 

企業戦略に欠かせなくなったデザインの重要性

まずはじめに登壇されたのは今回コーディネーターを務めた長谷川雅彬さん。そこで語られていたのは、デザインの重要性とスペインのデザインが優れている理由。簡単にですが、そこで語られていたことを箇条書き。

  • ユニコーン企業CEOの21%はデザインの勉強をしている(=約40企業?!)
  • 一流企業被雇用者のうち、デザイナーの占める割合は増加の一途
  • プロダクト-ドリブンで成長してきた日本企業はつい “touchable” なものの価値に偏りがち
  • スマホの普及などに伴うシェアする習慣により、ユーザーとの接点が増え、よりデザインの重要性が増している
  • 戦略的デザインとは、[デザイン] [バリュー] [ストラテジー] の3点を抑えてこそ
  • スペインのデザイン(特にerretres.)は感情的でもあり機能的、つまりバランスが良い

などなど。具体的な数字をもちい展開されたプレゼンの中で衝撃だったのは日本の文化に対する軽視っぷりが垣間見えたこのスライド。文化保護に対しての資金の差が酷すぎる・・・。約17倍の差。伝統文化に対しては潤沢な資金が割られているという話も聞くから、そのなかでも格差があるんだろうなと思うとついつい暗い気持ちに・・・。改めてプロダクトドリブンで歩んできた歴史を思いました。

※当日の長谷川さんのプレゼンの一部は #JapaneseTechnologyMeetsSpanishDesign でツイートしてます。

 

Meaningful Experienceを掲げるerretres.

長谷川さんのプレゼンテーションの後に行ったのは、マドリッドに拠点を構えるerretres.オーナー&チーフデザイナーのPablo Rublo (@pablorubio)さん。

「デザインはもはや結果ではなく、プロセスであり戦略的な強みである」

として、SIDOの包帯パンツの実例を交えて1時間じっくり話されました。画像は暗いですが、講演中のパブロさん。

 

超絶カッコよくなったSIDO 包帯パンツ

実例として挙げられていたのが包帯パンツを展開しているSIDOの例。10年前から始まった包帯パンツのBefore→Afterは下の2枚の画像を見れば一目瞭然!(画像はWhat Lines Beneathより)

価格は4,000円/個。当初は目立てばいいだろうと赤!赤!赤!を前面に押し出したオリジナルデザインだったそう。それに対して周囲からは「目立つけど、その値段を払うにしてはなんだかちょっと・・・」と値段の分だけ価値のあることをきちんと伝えられていなかったそう。

Before

After

それがerretres.がリブランディングをした今日は、ロバート・デ・ニーロマドンナら世界的セレブも愛用している商品へと華麗に変貌を遂げたという。商品そのものの大幅な変更はしてないからこそのこの変化は、デザインがもたらした大きな効果であることが如実にわかりますね。

たしかに、昨今テック界隈の人たちと会話してたり、都会を歩いているとと、デザインの重要性みたいなものはもはや常識に近いものになっていると感じてます。でも、そこから一歩外れてみるとまだまだその思考は浸透していないようにも感じていたのも正直なところ。「◯◯(類似事業をしている企業)っぽくしてみて!」「なんとなくオシャレにしといて!」と言った表面上で見た目だけの欲求が多いなあと。

erretres. pablo japanese technology meets spanish design

でも、それでは本当の意味でデザインにはなってないんですよね。ましてや「真似る」なんて「ただのモノ持ち」と同じ。スタイルがない人が人に響かないのと同じで、きっと仮にカードが増えたところで手法知らねば宝の持ち腐れもいいところなわけです。

SIDO hotai pants 包帯パンツ

(写真右:SIDO 包帯パンツを展開するログイン株式会社代表取締役 野木志郎さん | 写真左:モデレーター 長谷川雅彬さん)

そんなこんなでデザインもたらす変化に頷いていたんですが、カンファレンスでいちばん感動したのがこれ。なぜスペインの会社であるerretres.にお願いしたか?という質問に対する野木さんの回答。

好きだなあと思う(≒意識する)ことの大切さを痛感した。日々やらなきゃいけないことが降り注いでくると、つい好きな気持ちはおざなりにしてしまうけれど、好きなら好きでいるべきで、それはものすごくシンプルなこと。だからこそある日突然、ポッと点がやってきたタイミングでしっかり感知できるんだなって。そんなことを思いながら歩いてた帰路。館内のスロープが素敵だったのでパシャり。

スペイン大使館 spanish embassy

スペイン大使館 spanish embassy

余談だけれど、この日偶然にも靴がスペインのrasというシューズブランドだったことを思い出したので。(※ rasは海外ブランドにしてはストロベリーサイズから展開しているので足の小さい人にはおすすめ。)

japanese technology meets spanish design

 

新著『自分が信じていることを疑う勇気』をリリースされた長谷川さん

今回コーディネーターを務めた長谷川さんは先月5月に初の日本語の著書をリリースされたばかり。

自分が信じていることを疑う勇気 | 長谷川 雅彬・著

自分が信じていることを疑う勇気 長谷川 雅彬 Masaaki Hasegawa

挑発的なタイトルですが、どこにでもあるような自己啓発本というより、自分次第ですよ?と改めて鈍器で殴られたような感覚になる良書でした。海外を拠点に活動されている方なので、こちらであらためてプロフィールを。

【長谷川 雅彬さんプロフィール】  立教大学経営学部にて元日銀政策決定委員の田谷禎三氏に師事。在学中は総合格闘技のプロの試合にも出場し、卒業後は大和証券キャピタルマーケッツ(現・大和証券)にて投資ストラテジストとして勤務。その後、スペインのIE UniversityにてVisual Media Communication修士号を取得し、イスラエルにてソフトウェア会社のチーフエバンジェリストとして勤務。2014年よりスペインに戻りコンサルや執筆活動を開始し、スペインとアメリカで書籍を出版。 現在はスペイントップの戦略デザインファームErretres.でアドバイザーを務め、大学や国際的なカンファレンスでの講演を行う他、自身の持つ創造性に関するオンラインコースでは120各国に4000人以上の受講者を持つ。アーティストとしては2017年にマドリッド、パリ、モスクワで作品を展示する他、ロシアのカリグラフィー美術館のアンバサダーを務めるなど、さまざまな分野で国や地域にとらわれず精力的に活動している。

I do appreciate this opportunity. Thank you so much for inviting me this incredible conference at Spanish Embassy, Mr.Hasegawa!


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SIDO HOHTAI®(リブランディング後の公式HP。超かっこいい!)


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